花と友と
七月号原稿(4月に詠む)
花と友と
しだれ梅の白い花びら
黄色の蒲公英は破顔一笑
春の訪れに紅梅も
桜色の羽衣ジャスミンに
先駆けて咲き盛る
黄色いカロライナジャスミン
塀からベランダまで
金雀枝は花壇をはみ出し
連翹と春の喜びを競う
春は黄色で溢れる
外出嫌いの私の友
最後の一輪が散るまで
語り合う狭庭の花達
独り居の居間を陣取る
胡蝶蘭の鉢十六個
温室もないのに
毎年花を見せてくれた
病を得た妹の為に
飛び回る去年今年
胡蝶蘭は一輪も咲かない
胡蝶蘭が届いた
日比イチさんからだ
昨年の退院の日にも
届いた宅急便
パック入りのお粥
魚と肉とジュースの缶詰
お菓子と果物と手紙
「益者三友」に涙ーー
☆極端に自分の名前が出ることを嫌う日比さんだった。この作品が出てからでは騙したことになると思い、送稿してからすぐに電話をしたら、絶交だと言われてビックリし、このブログにも載せないでいた。けれども、或いは照れだったのかもしれないと思うようになった。絶交されなかった。そればかりではなく、妹の為に苦労したことを知って、慰労したいと熱海のホテルに一泊の招待をして下さった。本当に有難い友達である。
オモニから送られてくる品物のように、こまごまと心のこもった食料も度々、送って下さるのもこの人である。
◎紅梅、大きな梅を沢山実らせる。この家に越してから小さな苗を植えた。切っても切っても育つ。
by pcflily | 2017-07-30 20:47 | 『新日本歌人』