多胡碑を訪ねて
多胡碑を訪ねて 四月号 二〇一三年 朴 貞 花
「多胡碑」は
日本三古碑の一つ
紀元七一一年の建立
多胡碑の記念館には
日本や中国の古碑の
拓本が展示されていた
南北朝鮮の拓本は一つもない
何故かと聞く私に――
館員は説明する
「朝鮮には漢字がないんです」
朝鮮書道史年表には
紀元八五年建立の古碑
「秥蟬県神祠碑」に始まる
古碑が次々と並び記されている
百済の王仁博士が日本に伝えた
漢字と論語二〇巻と記す
古事記・日本書紀
新羅の「吏読・郷札」に学び
万葉仮名と呼ばれる
平仮名が生まれた
奈良・東大寺所蔵
八世紀・最古級の「新羅写経」は
片仮名が新羅語の影響で
出来た可能性を指摘する
歴史認識――
あの日から十年
朝鮮の古碑の「拓本」は
未だに展示されてないのだろうか?
☆多胡碑は日本三大古碑の一つである。その記念館の案内人が朝鮮には漢字がないと言ったのだ。開いた口が塞がらないとはこのような時に使う言葉であろう。朝鮮と日本は地理的にどの国よりも近い、当然、古代から一番長い期間接触があった筈である。それを、日本人は認めたくない人が多い。何でも中国からと言う。文化は人間と共に伝わるものだ。中国から、朝鮮に渡りそこで培われて、人間と共に日本に文化も渡ってきたのである。
実家が取り壊されることになり、両親の遺品の整理に行って来た。何年も空き家になっており、電気も水道も止まったままなので、ホテルに泊まって、実家に行き来した。一度では整理が出来ずに二度も行って来た。
小さな我が家には納まりきれないことは承知の上で色々なものを我が家に持ち込んだ。ブルトーザーで壊すと言う甥の言葉に驚いて、勿体ないと運び込んだ。私以外は大きい家に住んでいるのに要らないと言う。妹達がこれは貞花オンニにピッタリと言った。狭い私の居間に置いたが、毎日、朝夕に眺める度に、持って来て良かったと満足している品物の一つである。
by pcflily | 2014-11-01 16:14 | アリランエッセー